概要
- 58歳・男性・香川県
- 特発性拡張型心筋症、僧帽弁閉鎖不全症
- 強い動機・息切れ、胸の圧迫感、不整脈、極度の倦怠感、体力低下、日常生活動作の制限
相談から申請までの経緯
相談
ご相談者様は、約20年前に「特発性拡張型心筋症」と診断され、長年にわたり経過観察と投薬治療を続けてこられました。
体調を見ながら漁業の仕事を続けておられましたが、次第に動悸や息切れが強くなり、体力が低下。仕事を続けるにも休みを挟まなければならない状態が続いていました。
その後、心臓弁膜症を併発し手術を受けたほか、不整脈に対してアブレーション手術も行いました。さらに病状の進行に伴い、心臓の動きをサポートするCRT-D(ペーシング機能付き植込み型除細動器)を装着。
この時点でようやく「障害年金の対象になるのでは」と知り、市役所で申請書類を受け取ったものの、手続きの流れが分からず奥様から当センターにご相談をいただきました。
治療と生活の状況
発症当初は投薬治療を続けながら仕事を続けておられましたが、次第に疲労が抜けず、一日の仕事を終えると横になって休まなければならない状態になりました。
体調が安定していた時期もありましたが、心臓弁の異常や不整脈の悪化が見られ、複数回にわたって心臓のカテーテル治療や弁形成術、アブレーション手術を受けました。
その後、再び動悸や息苦しさが強くなり、医師の判断でCRT-Dの植込み手術を実施。
以降は運動制限や運転制限を受け、生活の幅が大きく制限されるようになりました。
仕事もこれまでのようには続けられず、業務量は以前の4分の1程度に減少。体調を整えながら、できる範囲で仕事を続けておられます。
日常生活の多くは奥様が支えておられ、家事や外出などもサポートを受けながら慎重に過ごされています。
申請までの経緯
長年にわたり複数の治療を経ておられたため、初診から現在までの通院経過を整理するのが大きな課題でした。
当センターでは、過去の医療記録をもとに受診の流れを時系列で明確にまとめ、病状の進行と生活への影響を丁寧に整理。
また、主治医にも症状の変化や生活制限の実態を詳しくお伝えし、診断書に反映していただきました。
その結果、身体活動に大きな制限がある状態として評価され、障害基礎年金2級の認定を受けることができました。
結果
等級
障害基礎年金2級認定
受給額
年金額 約83万円
まとめ
拡張型心筋症は長期的に経過を見ながら治療を続ける病気であり、発症当初は「障害年金の対象ではない」と思われる方も少なくありません。
しかし、症状の進行によって日常生活や就労に大きな制限が生じるようになると、年金の対象となる場合があります。
今回のように、手術や植込み型装置の装着後に体力や活動の制限が明確になったケースでは、適切に経過を整理することで認定につながります。
同じように「手術後でも対象になるのか分からない」とお悩みの方は、一度ご相談ください。
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