概要
- 61歳・男性・愛媛県
- 特発性格長型心筋症、心不全
- 息切れ、動悸、強い疲労感、睡眠障害、呼吸のしづらさ、体のむくみ、長時間の運転・外出への不安
相談から申請までの経緯
相談
相談者様は、20年以上前に会社の健康診断で心電図異常を指摘され、精密検査の結果「拡張型心筋症」と診断されました。
以降は投薬治療を続けながら仕事を続けておられましたが、長年にわたり全国各地への出張を伴う勤務が続き、心身に大きな負担を感じることも多かったそうです。
近年、息苦しさや動悸、不眠などの症状が強くなり、救急搬送されることもありました。その後、主治医のもとで精密検査を受けたところ、心臓のポンプ機能が低下していることが分かり、ペースメーカーの一種であるCRT-Dの埋め込み手術を受けました。
退院後も以前のような業務を行うことは難しくなり、障害年金の対象になるのではないかと考え、当センターへご相談くださいました。
治療と生活の状況
発症後は長期にわたって定期通院を続け、薬物療法と心エコー検査による経過観察が行われてきました。
心不全の症状が出てからは薬の種類も増え、血液検査の頻度も上がりました。
CRT-Dの埋め込み後は不眠の症状が改善したものの、動悸や息苦しさ、疲れやすさは残り、生活全般に制約が生じています。
以前は現場作業を中心とした技術職に従事されていましたが、現在は電磁波を発生させる機器の使用制限があるため、主に事務業務に従事されています。
体調が優れない日には早退することもあり、日常生活でも電磁波や強い刺激を避けながら慎重に過ごされています。
申請までの経緯
本件では、初診が20年以上も前であり、しかも青森県での受診だったことから、初診日の証明に大変苦労しました。
初診となった医療機関ではすでにカルテが廃棄されており、受診記録を直接取得することができませんでした。
しかし、当時の勤務先での健康診断結果や、退院後に継続して治療を受けていた医療機関の記録など、複数の資料や経過を丁寧に整理することで、初診日の合理的な証明を行うことができました。
また、長年にわたる治療歴や生活上の制約についても詳細にまとめ、主治医にも事情を説明し、診断書に反映していただくことで、病状の実態を的確に伝えることができました。
その結果、障害基礎年金2級として無事に認定を受けることができました。
結果
等級
障害厚生年金2級認定
受給額
年金額 約170万円(配偶者の加算含む)
まとめ
長期間にわたり治療を続けながら仕事を両立されてきた相談者様でしたが、心不全の悪化やCRT-Dの埋め込みにより、生活の制約が大きくなりました。
「長く付き合ってきた病気だからこそ、自分では障害年金の対象になるとは思っていなかった」と話されていましたが、丁寧に状況を整理し申請したことで、無事に受給が決定しました。
拡張型心筋症などの心疾患は経過が長く、症状の波もあるため、ご自身では判断が難しいケースも少なくありません。
同じようにお悩みの方は、一度ご相談いただければと思います。
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