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受給事例

「できない自分」を責め続けた発達障害の事例|診断により支援につながり障害年金2級を認定

概要

  • 45歳・女性・愛媛県
  • 広汎性発達障害、注意欠陥多動障害(ADHD)
  • ミスや物忘れが多い、集中力が続かない、マルチタスク困難、口頭指示理解困難、優先順位がつけられない
  • 金銭管理困難、交通機関利用困難、対人関係トラブル、孤立、家事・炊事ができない、自己否定感が強い

相談から申請までの経緯

相談

ご相談者様は、幼少期から「人との関わり方が少し苦手」「忘れ物が多い」など、ご自身の特性に違和感を覚えていました。
しかし特に治療を受けることもなく、仕事や家庭生活を続けてこられました。
ところが、年齢を重ねるにつれ頭痛や不眠、気力の低下などが強くなり、仕事を続けることが難しくなっていきました。
受診をきっかけに発達障害(広汎性発達障害・ADHD)の診断を受け、今後の生活の安定のため障害年金の申請を検討されました。

治療と生活の状況

学生時代は成績も平均的で、特に目立った問題は見られませんでしたが、高校進学後、新しい人間関係の中で孤立し、学校生活が続けられなくなりました。
その後もいくつかの仕事に就きましたが、職場でのミスや人間関係のトラブルが続き、長く続けることが難しい状況が続きました。
成人後は家業の手伝いやパート勤務などを経て長く働くこともできていましたが、周囲とのコミュニケーションに強いストレスを感じるようになり、次第に体調を崩していきました。
物事の段取りがつかず、同時に複数の作業を指示されると混乱してしまう。言葉で説明されても内容を記憶できず、間違った行動をしてしまう。そんな特性が、仕事上の大きな負担となっていました。
家庭でも、家事の順序がわからず掃除や炊事ができなくなり、ゴミ出しを忘れたり、必要な物と不要な物の区別がつかず整理ができない日々が続きました。
また、不眠や頭痛の症状が悪化し、気分の落ち込みも強くなったため受診を開始。
治療を続けるうちに、これまでの「生きづらさ」の背景には発達障害があることが分かりました。
現在は月に一度の通院を続け、薬とカウンセリングによる治療を行っています。

申請までの経緯

発達障害は見た目にはわかりづらく、特に成人後に診断を受ける場合は、過去の生活歴や職歴から障害の影響を丁寧に整理する必要があります。
本件では、学生時代からの特性や職場での困難、家事や日常生活の支障について、ご本人とご家族から詳細に聞き取りを行いました。
また、医師にも日常生活の実態を正確にお伝えし、診断書に反映していただくことで、発達障害が生活全般に及ぼす影響をしっかりと評価してもらうことができました。
その結果、社会的・職業的な適応能力の著しい制限が認められ、障害厚生年金2級の認定を受けることができました。

結果

等級

障害厚生年金2級認定

受給額

年金額 約170万円(配偶者・子の加算含む)

まとめ

発達障害は、幼少期から続く特性が社会生活や仕事に影響を及ぼす一方で、「頑張ればなんとかなる」と思い込み、長年受診せずに過ごしてしまう方が多い障害です。
しかし、特性によるミスや人間関係のトラブルが続くことで、うつ状態を併発したり、日常生活が立ち行かなくなることも少なくありません。
今回のケースでは、丁寧な聞き取りと医師との連携により、発達障害の特性と生活への影響を的確に伝えることができたことで、障害年金の認定につながりました。
「昔から少し不器用で」「仕事が続かない」と感じている方も、発達障害の可能性を含め、専門家へ相談することで支援の道が開けるかもしれません。

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精神疾患(うつ病、発達障害、双極性障害、統合失調症、知的障害など)で日常生活や仕事に支障が出ている方は、障害年金を受給できる可能性があります。

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