概要
- 60歳・女性・愛媛県
- 小脳血管周皮腫(脳腫瘍)
- 左右上下肢の麻痺と震え、歩行困難、階段昇降不能、立位保持困難、日常動作困難、発音不明瞭、要介護
相談から申請までの経緯
相談
ご相談者様は13年前に脳腫瘍が見つかり手術を受けました。この時点で身体障害者手帳5級を取得され、退院後は経過観察とリハビリを続けながら日常生活を送ってこられました。
しかし、5年前から再発と悪化を繰り返し、手足の麻痺やふらつきが強くなり、家事や外出にも支障をきたすようになっていきました。
一度はご主人がご自身で障害年金を申請されましたが不支給となり、今回は状態がさらに悪化したことを受けて「今度こそ正しく申請したい」との思いから当センターへご相談くださいました。
治療と生活の状況
発症以降、複数回の腫瘍摘出手術や放射線治療を受け、長期にわたるリハビリを続けてこられました。再発のたびに入退院を繰り返し、手術後には顔面麻痺や視覚障害も生じました。
歩行や立ち上がりには常に支えが必要で、家の中でも歩行器を使用しています。外出時は車いすを利用し、夫の付き添いが欠かせません。着替えや入浴、用便の際も多くの介助が必要であり、食事についても左手が思うように動かないため時間をかけて少しずつ行っています。床に座ることはできず、椅子に座った状態で生活の大半を過ごされています。
申請までの経緯
初回の障害年金申請では、診断書の内容と生活実態に乖離があったため不支給となっていました。今回のご相談では、これまでの経過を改めて丁寧に整理し、どのような場面で介助を要するかを明確にしました。
リハビリや在宅での生活状況を具体的に記録し、日常生活の困難さを正確に反映させる形で診断書の内容を再確認。医師にも生活上の実情を共有し、実態に即した書類作成を依頼しました。
その結果、診断書と申立書が整合した内容として評価され、障害基礎年金1級として認定されました。
結果
等級
障害基礎年金1級認定
受給額
年金額 約110万円
まとめ
今回のケースでは、長期にわたる闘病と複雑な治療経過に加え、初回申請が不支給となっていたことから、再申請に際してはより正確な生活実態の反映が重要となりました。
介助が欠かせない生活の様子を細かく整理し、医師との連携を丁寧に行ったことで、実際の障害状態が正しく評価されました。
障害年金の再申請は一度不支給であっても、状態が変化していれば再度の認定が可能です。
「以前ダメだったから…」と諦めず、現在の状況を正確に伝えることが何より大切です。
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