メール よくある質問

ブログ

受給事例:多発性神経炎・うつ病・身体表現性障害により障害厚生年金1級・併合認定(44歳・女性)

概要

  • 44歳・女性・香川県
  • 多発性神経炎・うつ病・身体表現性障害
  • 併合認定
  • 手足の痺れ、歩行障害、ふらつき・転倒リスク、長時間の座位・立位保持困難、生活動作全般困難
  • 食欲低下、睡眠障害、気分の落ち込み、不安・焦燥感、パニック発作、集中力・意欲の低下

相談から申請までの経緯

相談

ご相談者様は10年以上前から腰痛と足のしびれを感じるようになり、当初は椎間板ヘルニアを疑って治療を受けていました。
しかし、治療を続けても回復せず、次第に手にも同じようなしびれが現れ、全身のだるさや力の入りにくさを感じるようになりました。
仕事を続けることが難しくなり、休職や復職を繰り返すうちに、体だけでなく心のバランスも崩れていきました。
思うように動けない焦りや、理解されにくい痛みや不調に対する孤独感が募り、次第に抑うつ状態となってしまいました。
「これからの生活をどうすればよいのか」「助けになる制度はないのか」と悩まれ、当センターにご相談をいただきました。

治療と生活の状況

最初の診断では神経の異常が指摘され、免疫療法やリハビリを受けながら治療を続けてこられました。
治療の効果は一時的に見られたものの、手足のしびれや脱力感は改善せず、歩行時には壁や家具に手をついて移動しなければならない状態でした。
握力はほとんどなく、掃除機や洗濯バサミなどの軽いものでも持つのが難しくなり、洗濯物を干す、掃除をする、料理を作るといった日常の家事も思うようにできません。
椅子に長く座っていることも辛く、背もたれがないと10分も姿勢を保つのが難しいとのことでした。
入浴も一人で行っていますが、体を洗う動作や浴槽からの出入りに危険を伴い、転倒して骨折したこともありました。
動作のたびに強い疲労感や脱力感があり、天候や気温の変化でさらに症状が悪化します。
加えて、長期間にわたる身体の不調や仕事上のストレスから、食欲がなくなり、食べ物の匂いを受け付けられない時期もありました。
その頃は経腸栄養剤だけで栄養を摂っていたといいます。現在も食欲は低く、家族と一緒のときにようやく食事を取るようにしているそうです。
体調が安定せず、気分の落ち込みや倦怠感も続くため、外出する機会はほとんどなく、生活の多くを自宅で過ごされています。

申請までの経緯

本件では、身体の障害(多発性神経炎)に加えて、長年の苦痛や社会的ストレスから生じたうつ病・身体表現性障害が併発していました。
いずれも医療機関で長期的な治療を受けており、心身双方の症状が日常生活や就労を大きく制限していることが確認されました。
障害年金の申請にあたっては、身体障害と精神障害のそれぞれについて詳細な診断書を取得し、両者の関係性を丁寧に整理しました。
「身体の障害が原因で精神の障害を発症し、両者が相互に影響し合っている」という経過を明確に示すことで、併合認定の可能性を高めることができました。
また、日常生活の実態を具体的に説明するため、家事・入浴・歩行・食事といった各動作にどの程度の支援が必要かを、ご本人やご家族のヒアリングをもとに詳細にまとめました。
医師との情報共有も綿密に行い、診断書と申立書の内容に一貫性を持たせて申請を行いました。

結果

等級

障害厚生年金1級認定・併合認定

受給額

年金額 約210万円(配偶者の加算含む)

まとめ

このケースでは、身体の障害と精神の障害が密接に関係していたため、どちらか一方だけで評価するのではなく、両者を併せて審査する「併合認定」が重要なポイントとなりました。
長年続くしびれや痛み、思うように動けない不安やストレスは、身体だけでなく心にも深い影響を及ぼします。
障害年金は、こうした「目に見えない苦しみ」も含めて、生活への制約を総合的に判断する制度です。
心身にわたる症状を抱えている方でも、適切に整理・証明を行えば、しっかりと認定を受けることができます。
ご本人やご家族の粘り強い対応と、丁寧な医師との連携が実を結び、最も重い1級認定という結果につながりました。
同じように身体と心の両面で苦しんでいる方にとって、大きな希望となる事例です。

関連記事

コメント

この記事へのコメントはありません。

ページ上部へ戻る