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受給事例:変形性股関節症により障害厚生年金3級(57歳・女性)

概要

  • 57歳・女性・香川県
  • 変形性股関節症
  • 脚全体の痛みと痺れ、歩行時の違和感と跛行、階段昇降困難、長時間の立位・歩行困難、重量物制限

相談から申請までの経緯

相談

ご相談者様は10年ほど前に脚の重さや違和感を感じて整形外科を受診したところ、股関節部分に腫瘍が見つかり大学病院で手術を受けました。
術後は一時的に家事もままならない時期がありましたが、人工骨の癒着とともに症状は落ち着き、通常の生活へと戻っていきました。
しかし、その後も右脚に軽いしびれが残っており、日常生活では右に体重をかけないよう注意しながら過ごされていました。
年月が経過した頃から、右脚全体に強い痛みを感じるようになり、再び大学病院で精密検査を受けたところ、変形性股関節症と診断されました。
医師の勧めによりブロック注射を試したところ痛みが軽減し、診断が確定。痛み止めでしのいでいましたが、症状が悪化したため人工関節置換手術を受けることを決断されました。
手術後も日常生活には大きな制限が残り、介護職への復帰も難しくなったことから、障害年金の申請をご相談いただきました。

治療と生活の状況

人工関節置換後は痛みが軽減した一方で、可動域の制限や筋力低下が残り、生活動作の多くに支障をきたしています。
正座や胡坐などの姿勢は禁じられており、基本的に椅子生活を余儀なくされています。
立ち上がる際には支えが必要で、一歩目を踏み出すまでに時間を要することもあります。
掃除や洗濯などの家事はほとんどご主人に頼っており、入浴時も一緒に入って支えてもらうことが多いとのことでした。
また、近くに住む娘さんが週に数回訪れ、家事を手伝ってくれています。
買い物も週に一度まとめて行うようになり、その際の荷物はすべてご主人が持っています。
しゃがむ・またぐといった動作が難しく、着替えの際にもズボンや靴下を履くのに苦労されており、外出時には杖やエレベーターの使用が欠かせません。
仕事面では介護職として勤務されていましたが、現在はデスクワークのみで、体調面から休職中。復帰後に継続できるかどうか不安を抱えておられます。

申請までの経緯

このケースでは、過去に手術を受けた股関節部の神経腫瘍と、現在の変形性股関節症との因果関係が認定の大きな焦点となりました。
もし両者に関連があると判断されれば、初診日が10年前に遡ることになり、申請が難しくなる可能性がありました。
そのため、主治医にも慎重に確認を行い、神経腫瘍と変形性股関節症は別の原因によるものであり、因果関係はないとの見解をいただきました。
これにより、変形性股関節症を発症した時点を新たな初診日として扱うことができ、適正な形で障害厚生年金の申請を進めることができました。
結果、人工関節置換後の状態が「日常生活および就労に著しい制限を及ぼしている」と認められ、障害厚生年金3級の支給が決定しました。

結果

等級

障害厚生年金3級認定

受給額

年金額 約60万円

まとめ

本件は、過去に股関節の手術歴がある方が、異なる原因による股関節症を発症したケースとして特徴的でした。
障害年金では、同じ部位に関する病気であっても「医学的な原因が異なる場合」には、別の初診日を設定できる場合があります。
今回のように、主治医の医学的見解を丁寧に確認し、当時と現在の病態を正確に区別できたことで、適正な認定に結びつきました。
また、人工関節置換後の生活上の制限(しゃがむ・立ち上がる・歩くなど)も詳細に説明することで、症状の重さをしっかり伝えることができました。
整形外科領域の障害年金申請では、過去の治療歴との因果関係の整理と生活制限の具体的な記述が非常に重要です。
当センターでは、医師との連携を図りながら、こうした複雑なケースでも受給につなげるサポートを行っています。

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