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受給事例:反復性うつ病性障害により障害基礎年金2級(22歳・女性)

概要

  • 22歳・女性・香川県
  • 反復性うつ病性障害・注意欠如多動性障害(ADHD)・自閉スペクトラム症(ASD)
  • 抑鬱状態、希死念慮、著しい意欲低下、集中力・注意力の欠如、昼夜逆転、睡眠障害、判断力・計画力の欠如
  • 引きこもり状態、外出困難、社会的孤立、対人回避、金銭管理困難、育児困難、家族支援不可欠

相談から申請までの経緯

相談

相談者様は、幼少期より集中力の維持が難しく、また対人関係にも違和感を感じながら成長してこられました。
思春期に発達障害の診断を受け、通院を続けていましたが、成人後は就職・進学に伴う環境変化の中で次第に症状が悪化。
社会生活や人間関係への不適応から抑うつ状態が強まり、家事や食事など日常生活全般に支障をきたすようになりました。
現在は夫の全面的な支援のもとで生活を続けており、本人の社会的自立は困難な状況です。
こうした経緯から、ご家族の勧めにより障害年金の申請を検討し、当センターへ相談されました。

治療と生活の状況

学生時代から集中力が続かず、授業中や試験中に眠ってしまうことが多く、学業や日常生活に困難を抱えていました。
発達障害の診断を受けて以降も通院を継続していましたが、治療による明確な改善は見られず、次第に通院を自己中断しました。
高校卒業後、他県に転居して専門学校へ進学しましたが、生活面では自立できず、食事・入浴・片付けといった基本的な行動も他者の支援がなければ行えませんでした。
社会人として就職したものの、業務上の臨機応変な対応や職場でのコミュニケーションが困難で、わずか2カ月で退職。
その頃から抑うつ状態が強まり、涙が止まらない、食事が取れない、不眠が続くといった症状が現れました。
自殺念慮も出現しましたが、通院をきっかけに思いとどまり、精神科での治療を開始しました。
その後、結婚・妊娠・出産と環境の変化が続きましたが、家庭内でも夫の支援がなければ生活が成り立たず、現在も食事や入浴、買い物など日常の行為を一人で行うことができません。
通院も夫の付き添いがなければ不可能で、外出は週1回の通院以外ほとんどありません。
対人交流は夫以外とは一切なく、社会生活は完全に閉ざされた状態が続いています。
家庭内では育児に参加しているものの、体調や気分の波が激しく、夫の協力なしには継続が困難な状況です。

申請までの経緯

当センターでは、幼少期からの発達特性と、それに起因する社会的適応困難、さらにそこから発展した抑うつ症状との関係を整理しました。
本人は症状の自覚が乏しく、自分の生活を客観的に説明することができないため、主にご家族(母親および夫)から詳細にヒアリングを行いました。

「食事・清潔保持・金銭管理・外出」の各面において、日常生活能力が著しく低下している実態を具体的に記載し、診断書および生活状況申立書を作成しました。
また、転院歴が複数あることから、初診日の特定と病歴の整理にも時間を要しましたが、各医療機関への照会を行い整合性を確認しました。
診断書作成時には、夫の介助が不可欠な現状を医師にも伝え、実際の生活レベルを正確に反映してもらえるよう依頼しました。

結果

等級

障害基礎年金2級認定

受給額

年金額 約110万円(子の加算額含む)

まとめ

本件は、発達障害の特性を背景に、環境変化や社会的ストレスが引き金となって抑うつ症状を発症した事例です。
見た目には理解されにくいものの、実際には生活のあらゆる場面で他者の支援が不可欠であり、自立した生活を送ることは困難でした。
障害年金の申請にあたっては、発達障害と精神障害の双方を的確に整理し、生活の実態を具体的に示すことが重要であることを再認識させるケースとなりました。
家族の支えとともに、今後も治療を継続しながら安定した生活を目指すことが期待されます。

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