概要
- 48歳・男性・愛媛県
- 反復性うつ病性障害
- 気分の落ち込み、無気力感、強い倦怠感、集中力低下、思考直低下、睡眠障害、食欲低下
- 朝起きられない、出勤できない、衝動買い、金銭管理困難、強い自己否定感、対人関係不安・回避傾向
相談から申請までの経緯
相談
ご相談者様は化学系工場で分析業務に従事していましたが、長時間労働や過度な責任の重さから心身のバランスを崩し、次第に出勤が難しくなっていきました。
病院で「うつ病」と診断され治療を受けていましたが、気分の浮き沈みや集中力の低下が続き、安定した就労が困難に。
「これ以上職場や同僚に迷惑をかけたくない」との思いから退職し、今後の生活を支えるため障害年金の申請を希望され、当センターにご相談くださいました。
治療と生活の状況
発症当初は「少し休めば良くなる」と考えていたものの、症状は徐々に悪化していきました。
服薬治療を開始してからも気力が戻らず、休職と復職を繰り返す日々が続きました。
一時的に出勤できる時期もありましたが、再び体が動かなくなり欠勤が増え、年間に十回以上の休職を繰り返すこともありました。
自宅療養中はほとんど自室にこもり、入浴や食事も最低限にとどまる生活でした。
時折「何とかしなければ」と思っても、具体的な行動に移すことができず、退職金を切り崩して生活を続けていました。
ネット通販などで衝動的に高額な買い物をしてしまうことも多く、後悔しながらもやめられない状態が続いていました。
母親が生活の多くを支え、手続きや日常の管理を代行していましたが、ご本人は社会との関わりを避け、他人との会話もほとんどできない状態でした。
申請までの経緯
このケースでは、初診日から長期間が経過しており、同じ医療機関に通院を続けていたためカルテも残っていました。
そのため、過去にさかのぼって申請(認定日請求)を行える条件が整っていました。
しかし、主治医が障害年金制度について誤った理解をしており、診断書の作成が難航しました。
「仕事をしていた時期があるから対象外」「認定日の診断書しか書けない」「2枚書いても患者の負担が増えるだけ」といった誤解もありましたが、丁寧に説明を重ね、最終的に認定日時点と現在の2枚の診断書を作成してもらうことができました。
結果として、認定日時点では3級、現症では2級と評価され、5年分の遡及支給も認められました。
結果
等級
障害厚生年金2級認定(認定日時点・障害厚生年金3級)
受給額 遡及額
年金額 約130万円
遡及受給 約300万円(過去5年分)
まとめ
うつ病や気分障害による申請では、症状の波や就労歴の有無により、医師の判断や診断書の内容が大きく左右されることがあります。
本件のように「医師が制度を正しく理解していない」ことが原因で、必要な書類が作成されないケースも少なくありません。
今回は、ご本人・ご家族と協力しながら医師に粘り強く依頼を行い、最終的に認定日請求による遡及受給を実現しました。
過去の通院記録が残っていれば、長期間さかのぼって申請できる場合もあります。
「以前からうつ病で通院している」「仕事をしていた時期もあるが申請できるのか」といった不安をお持ちの方も、
一人で悩まず、まずは専門家にご相談ください。
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