メール よくある質問

ブログ

受給事例:双極性障害により障害基礎年金2級(35歳・男性)

概要

  • 35歳・男性・徳島県
  • 双極性障害、強迫性障害
  • 極端な気分変動、無気力・意欲低下、希死念慮、衝動行動、多弁、攻撃性
  • 睡眠障害、潔癖傾向、パニック発作、対人恐怖、外出困難、記憶力低下、思考停滞

相談から申請までの経緯

相談

ご相談者様は10代後半から気分の波が見られ、うつ状態とうつ状態の間を行き来するようになりました。
学生時代には成績や人間関係の悩みから不眠や抑うつを感じて医療機関を受診し、うつ病と診断されましたが、その後は躁状態に転じ、行動のコントロールが効かない状態が続きました。
一時は家族が複数人で取り押さえなければならないほどの興奮状態となり、入院治療を受けた経験もあります。
退院後も気分の波は続き、うつ状態の時期には何もできず引きこもり、躁状態の時期には衝動的な行動や対人トラブルを繰り返しました。
成長後も症状は続き、就労や社会生活を安定して送ることができず、現在も親の支援のもとで生活をされています。
そのような中で、知人から障害年金制度について話を聞き、自身の症状も対象になるのではないかと考え、当センターへご相談されました。

治療と生活の状況

当初はうつ病と診断され抗うつ薬による治療を受けていましたが、躁状態へと転じたため双極性障害Ⅰ型の診断が確定しました。
以降、入院・外来治療を繰り返しながら、気分安定薬や抗精神病薬の投与を受けてきました。
薬の調整により一時的に症状が落ち着くことはあっても、完全な寛解には至らず、現在まで躁うつを繰り返す経過を辿っています。
うつ状態では1日の大半を布団の中で過ごし、食事や入浴もままならず、食事の味を感じられないほど無気力な状態が続きます。
逆に躁状態では極端に睡眠時間が短くなり、興奮や怒りが抑えられず、他人とのトラブルや浪費などの問題行動を起こすこともありました。
希死念慮は躁うつのどちらの状態でも常にあり、感情の波にかかわらず死を考える時間が多いと話されています。
さらに近年では、パニック発作や強迫症状も見られるようになり、外出への恐怖感が強く、ほとんどの時間を自宅で過ごしています。
強い潔癖傾向から外出や人との接触を避けるようになり、社会的な関わりはほとんどなくなっています。
また、服薬の副作用による手の震えや倦怠感もあり、字を書くことや細かな作業が困難で、家事全般も家族の助けを必要としています。

申請までの経緯

本件では、長期にわたり複数の医療機関で治療が行われていたため、初診日の特定と通院記録の整理が課題となりました。
当センターでは、各医療機関に受診記録を依頼し、連続した治療経過を証明することで、障害認定に必要な「初診日の明確化」と「診断の一貫性」を立証しました。
また、主治医には、躁うつの波により日常生活が大きく制限されていることを詳細に伝えるため、ヒアリング内容をもとにした診断書作成依頼文を作成しました。
これにより、診察時だけでは見えにくい生活上の困難や希死念慮の持続といった実情を診断書に反映してもらうことができました。
本人・家族だけではまとめきれなかった長年の治療経過を、第三者証明や家族の協力も得ながら整理し、申請書類として提出しました。

結果

等級

障害基礎年金2級

受給額

年金額 約83万円

まとめ

本件は、双極性障害Ⅰ型に加え、強迫性障害やパニック障害を併発した長期経過の事例です。
躁状態では衝動的な行動が多く、うつ状態ではほとんどの生活動作ができないという極端な波を繰り返しながらも、長年にわたって治療を続けてこられました。
初診日の証明や病歴の整理が複雑で、主治医からも3級相当と見られていた中で、詳細なヒアリングと診断書依頼文の作成によって生活実態を正確に反映できたことが、2級認定につながりました。
また、長期間の療養や複数の併発症状があっても、的確な記録整理と主治医との連携により、適正な評価を得られることを示した事例です。

関連記事

コメント

この記事へのコメントはありません。

ページ上部へ戻る