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受給事例:パーキンソン病と両変形性膝関節症により障害厚生年金3級・3年遡及180万円(62歳・女性)

概要

  • 62歳・女性・香川県
  • パーキンソン病、両辺形成膝関節症
  • 手足の震えと筋力低下、歩行時ふらつき、握力低下、転倒、関節のこわばり、日常動作困難
  • 立ち上がり・階段昇降困難、思考鈍化、動作の遅れ、症状の波

相談から申請までの経緯

相談

ご相談者様は、10年以上前からパーキンソン病の治療を続けておられました。
発症当初は服薬により症状を抑えることができ、仕事や家事も問題なくこなせていましたが、年月とともに薬の効果が薄れ、体の震えや筋肉のこわばり、動作の遅れなどが目立つようになりました。
さらに右膝に痛みを感じるようになり、検査の結果「変形性膝関節症」と診断されました。
その後は歩行や立ち上がりが困難になり、転倒の危険も増え、日常生活全般に大きな支障をきたすようになっていきました。
パーキンソン病の進行により、就労の継続も難しくなり、生活の不安が高まったことから障害年金のご相談をいただきました。

治療と生活の状況

パーキンソン病に対しては長年通院と服薬を継続していましたが、薬の効果が安定せず、日によっては全く体が動かない日もありました。
服薬回数は1日6回にまで増え、朝に薬を多めに飲んでも、数時間後には再び体が動かなくなることも多かったそうです。
日常生活では、手足の震えと筋力低下から細かい動作が困難で、箸を持つことや服のボタンを留めることができず、衣類の着脱にも長い時間を要していました。
また、立ち上がるときに何度も尻もちをついてしまったり、床に座ると倒れそうになるなど、体のバランスを保つことが難しい状態でした。
外出の際は杖を使うこともあり、屋内外での歩行にも常に不安がありました。
特に起床直後や夜間は体が動かず、転倒の危険が高くなっていました。
膝の痛みも強く、人工関節の手術を受けた後も長期間にわたってリハビリと経過観察が必要でした。
就労についても、発症以前は食品工場でフルタイム勤務をされていましたが、次第に作業スピードが落ち、思考のまとまりも悪くなり、職場での作業に支障が出るようになりました。
最終的には身体的な限界を感じて退職し、その後は短時間勤務で生活を支える形に切り替えられましたが、それも困難となっていきました。

申請までの経緯

今回のケースでは、パーキンソン病と膝関節症が併存していたことが特徴的でした。
パーキンソン病は脳神経系の進行性疾患であり、膝関節症との直接的な因果関係は認められないため、それぞれ別の傷病として扱われました。
ただし幸いなことに、両方の病気を同じ医療機関で治療していたため、初診日の確認や診断書の取得がスムーズに行えました。
特に医師が膝関節症の初診日を正確に記載してくれていたことが、申請の成否を分ける大きなポイントとなりました。
その結果、膝関節症については人工関節手術の日を基準として遡及請求が認められ、過去分の障害厚生年金を受給することができました。

また、パーキンソン病についても現在の症状に基づき3級が認定され、将来的には病状の進行に応じて2級以上への改定が見込まれる状況です。

結果

等級

障害厚生年金3級認定

受給額 遡及額

年金額 約60万円

遡及受給 180万円(3年遡及)

まとめ

本件は、同一人物に複数の疾患が存在し、それぞれが独立した初診日を持つという珍しいケースでした。
障害年金の制度では「因果関係のない別傷病」は個別に評価されるため、どの傷病をもとに申請を行うか、またどちらを選択受給するかを慎重に判断する必要があります。
ご相談者様の場合、医療機関が一貫して同じであったこと、そして医師が初診日を的確に記載してくださったことにより、スムーズな手続きが可能となりました。
結果として、膝関節症による遡及分と、今後のパーキンソン病による支給を選択的に受けることができ、生活の安定に大きく寄与しました。
このように、複数の疾患をお持ちの方や、どちらの傷病で申請すべきか迷われている方も、適切な判断と資料整備によって受給の可能性を高めることができます。
当センターでは、複雑な事例でもそれぞれの状況に合わせた最適な申請方法をご提案しています。

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