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受給事例:てんかんにより障害基礎年金2級(34歳・男性)

概要

  • 34歳・男性・愛媛県
  • てんかん
  • 発作頻発(月1回医女、重度は数ヶ月ごと)、突発的な転倒・外傷の危険性、一人での外出困難

相談から申請までの経緯

相談

相談者様は幼少期にてんかんの診断を受け、以後長期にわたり服薬治療を続けてこられました。
一時は発作が落ち着いていたものの、高校以降は再び発作を繰り返すようになり、意識を失って倒れる発作が年に数回、軽い発作は月に1回ほどの頻度で発生していました。
服薬を続けても症状は完全には抑えられず、発作に対する不安から外出や就労が難しい状態が続いています。
近年は家庭内での生活が中心となり、将来の生活に不安を感じたご家族が、障害年金の申請について当センターにご相談されました。

治療と生活の状況

発症以来、服薬による治療を継続してきましたが、発作の完全な抑制には至っていません。
中学までは大きな問題なく過ごしていたものの、高校進学後から再び発作が頻発し、卒倒や身体硬直などの症状が見られるようになりました。
その後、発作の頻度はさらに増し、重い発作が2~3ヶ月に1度、軽い発作が月1回程度起こるようになっています。
発作時には意識を失うこともあり、転倒や怪我の危険があるため、一人での外出はできません。
また、発作の不安から火気を扱うことも避けており、炊事や外出は家族の支援なしでは行えません。
日常生活動作(食事・清潔保持・服薬管理)は自立していますが、社会的な場面での対応や判断が難しく、銀行や役所の手続きも家族の同行がなければ行えません。
就労については意欲があるものの、発作への不安と採用時の理解不足から雇用には至らず、過去に短期間の手伝い程度の就労経験があるのみです。
また、発作やストレスを契機に、突発的に他人の車に傷をつける、不要な荷物を送るなどの行動が見られることがあり、本人も「なぜそうしたのかわからない」と話しています。
こうした行動後には強い自己否定感に陥り、部屋に引きこもるなど情緒面の不安定さもみられます。

申請までの経緯

当センターでは、発症から現在に至るまでの長期経過を整理し、発作頻度や生活制限の程度を客観的に示すため、詳細なヒアリングを実施しました。
特に、外出制限・就労不能・対人関係の困難といった「社会生活機能の制限」を重視し、医師が診断書に反映できるよう生活状況を丁寧にまとめました。
初診日が幼少期であり、カルテ保管期限を過ぎていたため、当時の通院事実の確認には家族の証言や保険記録を活用しました。
診断書作成に際しては、身体的発作だけでなく精神面・社会面の影響も加味してもらえるよう、医師に詳細な補足資料を提出しました。

結果

等級

障害基礎年金2級認定

受給額

年金額 約83万円

まとめ

本件は、幼少期発症のてんかんが成人後も持続し、社会的自立を阻む形となった事例です。
発作自体だけでなく、「いつ発作が起きるかわからない」という不安によって生活行動が制限され、対人関係や就労にも影響を及ぼしています。
また、突発的な行動や情緒不安定など、精神面での二次的影響も見られ、家族の支援なしでは生活を維持することができません。
障害年金の認定により、今後も医療と生活支援を継続しながら、安心して療養に専念できる環境が整いました。
長期的治療を要するてんかんにおいて、身体面だけでなく心理・社会面の影響を含めた総合的な支援の重要性を示す事例です。

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