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受給事例:くも膜下出血により障害基礎年金1級・1年遡及130万円(62歳・女性)

概要

  • 62歳・女性・愛媛県
  • くも膜下出血
  • 意識障害、右半身麻痺、自発運動不能・日常生活全般への全面介助依存

相談から申請までの経緯

相談

ご相談者様は、自宅で一人のときに突然くも膜下出血を発症し、倒れた状態でご主人に発見されました。
すぐに救急搬送が行われましたが、搬送先がなかなか見つからず、治療までに時間を要したことで症状は重篤なものとなりました。

救急搬送時にはすでに意識がなく、右半身の麻痺や瞳孔の拡大が確認され、検査の結果、脳動脈瘤の破裂によるくも膜下出血と診断されました。
集中治療と複数回の手術が行われましたが、残念ながら意識が戻ることはなく、そのままリハビリ病院に転院。
以降も意識の回復は見られず、ご家族の献身的な看病が続いています。
ご主人は医療費や生活費の負担に加え、看護のため仕事にも影響が出ており、「何か経済的に支えになる制度はないか」との思いから当センターにご相談くださいました。

治療と生活の状況

発症直後から意識は回復しておらず、現在も意思の疎通はできません。
自力での食事や排泄、体位の保持は困難で、すべてに介助が必要な状態が続いています。
寝たきりの生活が長期に及んでいるため、褥瘡(床ずれ)のケアや感染予防にも注意が必要です。
看護の中心を担うご主人は、日々の体位変換や吸引、清拭などを医療スタッフと協力しながら行っています。
医師からは「仮に意識が戻ったとしても、左脳の損傷によって右半身麻痺と言語障害が残る可能性が高い」と説明を受けており、回復の見込みは極めて厳しい状況です。
ご家族は、長期的な介護と医療費の負担を考え、少しでも経済的な支えを得たいとの思いで障害年金の申請を決意されました。

申請までの経緯

本件では、初診時点から意識障害が続いており、いわゆる「症状固定」の状態が早い段階で確認されました。
そのため、医師の診断書には、意識レベルの低下、運動機能の喪失、言語機能の欠如など、日常生活全般にわたる支障が明確に記載されました。

また、ご家族からの生活状況の聞き取りをもとに、介助の実態や経済的な負担、医療・介護体制などを詳細に整理しました。
ご本人が意思表示できない状態であるため、ご主人の立場から「日々の介護の実情」として申立書を作成し、実際の生活環境や医師の見解が一致するように調整しました。
重度の意識障害を伴う場合、申請手続きはご家族が代理で行う必要があります。
複数の医療機関間で診療情報の共有が必要だったため、紹介状・診療情報提供書の確認や公的証明の整備など、慎重に書類を整えました。

結果

等級

障害基礎年金1級認定

受給額 遡及額

年金額 約110万円

遡及受給 約130万円

まとめ

今回のケースは、突然の発症によって重い後遺症が残った典型的な事例です。
ご本人は意識を回復していませんが、障害年金はそのような重篤な状態にも対応する制度です。
意識障害や重度麻痺などにより本人が手続きを行えない場合でも、ご家族が代理で申請することができます。
障害の内容が明確であっても、初診日の確認や医療機関間の書類の整合性など、慎重な準備が必要となります。
本件では、ご家族の迅速な対応と医師との丁寧な連携により、スムーズな認定につながりました。
突然の病気によって生活が一変してしまった場合でも、制度を正しく利用すれば、家族の負担を少しでも軽減することができます。
同じように重い後遺症に苦しまれている方やご家族にとって、この事例が一つの支えとなれば幸いです。

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