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受給事例:うつ病により障害厚生年金2級(女性・27歳)

概要

  • 27歳・女性・愛媛県
  • うつ病
  • 過労、抑うつ気分、不安感、焦燥感、意欲低下、プレッシャー過敏、自己否定感、希死念慮
  • 不眠、倦怠感、頭痛、めまい、吐き気、動悸、朝起きられない
  • 家事・育児放棄、身だしなみの欠如、金銭管理不能、対人恐怖、外出困難

相談から申請までの経緯

相談

ご相談者様は看護師として勤務されており、当時は人手不足の職場環境の中で週6日勤務が常態化していました。責任感が強く、体調が悪くても休むことができず、心身の限界まで働き続けた結果、不眠や倦怠感、頭痛、めまいといった症状が現れるようになりました。
当初は仕事を続けながら投薬治療を受けていましたが、次第に心身の疲労が蓄積し、ついには仕事だけでなく家事や日常生活もままならない状態に。通院や休職を経ても一時的な回復にとどまり、再び体調を崩すことを繰り返していました。
「どうにかしなければ」と焦る一方で、何もできない自分を責め、精神的にも追い詰められていきました。このような状況から、相談者様は「これ以上自力では立て直せない」と感じ、障害年金の申請について当センターへご相談いただきました。

治療と生活の状況

発症当初は不眠と不安が主な症状で、抗不安薬や睡眠導入剤により一時的に改善が見られました。しかし、その後も職場での過重労働や人間関係のストレスが続いたことで、強い倦怠感やめまい、頭痛などの身体症状に加え、感情の起伏の激しさや集中力の低下がみられるようになりました。
次第に仕事への意欲を保つことが難しくなり、休職を余儀なくされました。休職中も「自分が働かないと家族に迷惑をかける」と自責の念が強く、焦燥感や不安から十分に休むことができず、症状は悪化。家事もほとんど行えず、炊事・掃除・買い物など日常生活の多くを夫に頼らざるを得ない状況が続きました。
朝起きることができず昼まで寝てしまうことが多く、身だしなみを整えることもできませんでした。入浴は億劫で一人では入ることができず、夫の付き添いが必要でした。買い物や役所での手続きなども外出への恐怖感から一人では行えず、夫が代行していました。
一時的に症状が軽くなった際に「もう大丈夫」と感じて再就職を試みましたが、初日から強い動悸やめまいに襲われ、勤務を継続できず1日で退職。その出来事が大きなショックとなり、再びうつ状態が悪化しました。以後は再就職の意欲も失い、再び家事や日常生活を夫の支援なしでは送れない状態となりました。

申請までの経緯

精神疾患での障害年金申請は、症状の波が大きく、本人が「できる」と思って行動しても実際にはできなかったり、無理をして再び悪化してしまうという経過が多く見られます。そのため、診断書や病歴・就労状況等申立書には「最も症状が重かった時期の実情」を的確に反映することが重要です。
ご相談者様の場合も、通院と休職、再就職の失敗という一連の経過を踏まえ、当センターでは詳細なヒアリングを行いました。仕事を辞めざるを得なかった経緯、家事や身の回りのことができなかった時期の生活実態、そして再発を繰り返す中での心理的負担を丁寧に整理し、申立書に反映しました。
また、主治医に診断書を依頼する際には、ヒアリング内容をまとめた「診断書依頼文」を添付し、医師が実際の生活上の制限や就労困難の程度を正確に把握できるよう配慮しました。これにより、ご本人・ご家族が抱えていた「自分では正しく伝えられない」という不安を解消し、申請を円滑に進めることができました。

結果

等級

障害厚生年金2級認定

受給額

年金額 約170万円(配偶者・子の加算額含む)

まとめ

うつ病などの精神疾患は、症状が改善したように見えても再び悪化することが多く、本人の「できるはず」という気持ちと現実とのギャップが大きな苦しみを生みます。今回のケースでも、一時的な回復期に再就職を試みたものの、わずか1日で退職を余儀なくされ、以後は家事や外出も難しい状態に戻ってしまいました。
こうした生活の実情を自分で整理し、書類にまとめることは非常に困難ですが、専門家の支援により、経過を客観的に整理し、適切に申請を行うことができました。
「無理をしては悪化を繰り返してしまう」「自分では正しく伝えられる自信がない」と感じている方にとって、専門家の伴走によって適切な支援を受けることで前に進めることを示す、非常に象徴的な事例となりました。

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