概要
- 39歳・男性・愛媛県
- 統合失調症
- 幻聴、思考の混乱、集中力低下
- 社会的孤立、外出・就労困難、生活全般への著しい支障
相談から申請までの経緯
相談
相談者様は職業訓練校に通っていた頃から幻聴に悩まされ、周囲に独り言を指摘されるなど症状が顕著になっていました。その後、勤務先の工場で厳しい叱責を受け続け、不眠や思考の混乱が悪化。やがて出勤できなくなり、10年以上前に精神科を初めて受診されました。以降は通院と服薬を続けてきましたが、生活や就労への支障は大きく、長期にわたり家族の支援を受けながらの生活を続けてこられましたが、ご両親の年齢や金銭面の不安もあり私どもに障害年金の申請を依頼されました。
治療と生活の状況
診断は統合失調症で、経済的理由から入院は行わず、通院と投薬での治療を継続してきました。服薬によって一時的に症状が和らぐことはあっても、幻聴が止むことはなく、日常生活全般において困難を抱え続けています。
生活の実態としては、入浴や歯磨きといった身辺の清潔保持がほとんどできず、金銭管理も自分では行えず家族の援助に頼っていました。服薬も自己判断で中断したり飲み忘れたりすることが多く、医師からの指導があっても適切な管理はできませんでした。
就労についても、正社員やアルバイト、派遣など複数の職を経験しましたが、いずれも幻聴の悪化や体調不良により短期間で離職。再就職しても長続きせず、結果的に無職の期間が長期化し、引きこもりに近い生活となっています。
申請までの経緯
障害認定日は10年以上前でしたが、年金の時効は5年間であるため、遡って受給できるのは5年分に限定されます。
申請に際しては、初診から現在までの経緯を詳細に文書化し、それを医師に提示したうえで診断書を作成していただきました。特に、身辺の清潔保持や金銭管理、服薬管理など日常生活における援助の必要性を具体的に記録することで、2級相当の障害状態であることが裏付けられました。
結果
等級
障害厚生年金2級認定
受給額・遡及額
年金額 約110万円
遡及受給 約570万円(過去5年分)
まとめ
統合失調症などの精神疾患では、発症から長い年月が経過している場合、当時の症状を正確に伝えることが難しく、認定日請求が困難となることがあります。本件では、過去の症状や生活の状況を丁寧に整理し、医師に具体的に伝えることで、古い認定日での請求が認められました。
このように、経過を正確に伝える工夫が適正な認定につながることがあります。申請でお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。
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