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受給事例:間質性肺炎により障害厚生年金2級を受給(54歳・男性)

概要

  • 54歳・男性・愛媛県
  • 間質性肺炎・24時間在宅酸素療法
  • 呼吸困難、疲労感、倦怠感、歩行困難、外出困難、就労不能
  • 日常生活動作困難、ADL低下、家族介助依存

相談から申請までの経緯

相談

ご相談者様は、間質性肺炎を患っており、これまで定期受診や検査を行いながら経過観察を続けていました。
しかし、数年前に新型コロナウイルスに感染したことをきっかけに呼吸機能が急速に悪化し、在宅酸素療法を導入しなければならないほどの重症化を経験されました。
当初は傷病手当金を受給しながら療養生活を続けていましたが、日常生活でも息苦しさが強く、家事や外出は妻の介助がなければ成り立たない状態に。就労を継続することも困難になり、最終的に退職を余儀なくされました。
その後、傷病手当金の給付が終了するタイミングで、今後の生活を支えるため障害年金の申請を検討され、当事務所にご相談いただきました。

治療と生活の状況

初期の段階では服薬治療はなく、定期的な検査を中心に経過観察が行われていました。
ところが、数年前に新型コロナウイルスへ感染したことを境に呼吸状態が急激に悪化し、肺機能の低下が進行。在宅酸素療法を24時間体制で行う必要が生じました。
安静時でも3〜3.5リットルの酸素を使用して酸素濃度を維持しており、着替えや洗面、トイレの移動などわずかな動作でも息苦しくなり、酸素流量を最大の5リットルまで上げなければならない状態でした。
介助を受けながらの動作でも酸素濃度は85%程度まで低下し、回復まで数分間を要することもしばしばありました。
入浴やトイレ動作にも介助が必要で、掃除や洗濯などの家事は全て妻が行っています。食器を洗うだけでも呼吸が乱れ、立ち仕事を続けることはできません。
また、外出はほとんどできず、病院受診の際は必ず車いすを使用。近所への外出も数メートル歩くごとに休憩が必要で、酸素濃度を確認しながら慎重に行動している状況でした。
酸素流量を上げているために鼻腔や喉が乾燥し、鼻血が出やすくなっており、そのことがさらに呼吸を困難にしています。日中の多くを横になって過ごし、体力の消耗を防ぐためにも極力安静を保たなければならない生活が続いていました。

申請までの経緯

申請に際しては、酸素療法の使用状況と日常生活動作の困難さを具体的に示すことが最も重要でした。
当事務所では、主治医作成の診断書や通院記録をもとに、日常生活における動作ごとの酸素濃度の変化や、介助を要する場面を詳細に整理。着替えや洗面、入浴、トイレなどの基本的動作で息切れを起こすこと、また回復に時間を要する実態を明確に記述しました。
さらに、食器洗いや家事、外出時の酸素使用量、車いす利用状況なども客観的に記録し、呼吸機能の低下が生活全般に及んでいることを立証しました。
在宅酸素療法の導入が24時間体制で必要であること、また日常生活が妻の介助なしでは成り立たないことを重点的に整理し、年金機構が病状を具体的に理解できるよう資料を整えました。
医療機関との調整や診断書内容の確認も丁寧に行い、専門的視点から立証に必要な情報を揃えることで、複雑な申請手続きを円滑に進めることができました。

結果

等級

障害厚生年金2級認定

受給額

年金額 約200万円(配偶者の加算含む)

まとめ

本件は、間質性肺炎による呼吸機能低下に加え、新型コロナウイルス感染による急性悪化が重なり、在宅酸素療法を必要とするまでに病状が進行した事例です。
日常生活では着替えや洗面、トイレなどの基本動作でさえ介助を要し、常に酸素を使用しなければならない状態でした。
当事務所では、通院記録や診断書の内容を基に、酸素療法の実施状況や生活動作ごとの具体的な支障を明確に整理し、障害の程度を正確に立証しました。
重度の呼吸器疾患における障害年金申請では、医師の診断書だけでなく、酸素療法の使用実態や生活の困難さを具体的に示すことが不可欠です。
本件のように、専門家のサポートを受けながら丁寧に立証を進めることで、複雑な申請も確実に成果につなげることができます。

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