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受給事例:自閉スペクトラム症(ASD)、注意欠陥多動障害(ADHD)により障害厚生年金2級を受給(27歳・女性)

概要

  • 27歳・女性・愛媛県
  • 自閉スペクトラム症(ASD)、注意欠陥多動障害(ADHD)、大人の発達障害
  • 不眠、希死念慮、不安感、緊張、自信喪失、罪悪感、イライラ
  • 対人コミュニケーション困難、引きこもり、金銭管理困難、注意力散漫

相談から申請までの経緯

相談

ご相談者様は幼少期より家庭内のストレスにより体調不良や不登校を経験されていましたが、特に明確な診断を受けることなく高校・専門学校を経て社会人を目指されました。
その後、就労先での人間関係や職場環境によって心身のバランスを崩し、精神科を受診したところ、当初はうつ病と診断を受けました。複数の医療機関を転院しながら治療を続ける中で発達検査を受け、最終的にASD(自閉スペクトラム症)およびADHD(注意欠如・多動症)の診断が確定しました。
診断後も強い不安感や意欲低下が続き、一人暮らしを維持することが難しく、母親が定期的に訪問して生活を支援する状態が続いていました。こうした状況から障害年金の申請を検討されましたが、独力で病歴や生活状況を整理することが困難であったため、当事務所へ申請代行を依頼されました。

治療と生活の状況

初診以降、服薬治療を中心に通院を続けておられましたが、気持ちの落ち込みや不安感が強く、外出や社会的な交流がほとんどできない状態でした。
一人暮らしの生活では、食事を取れない日が多く、逆にストレスによって過食に陥ることもあり、食生活が極端に不安定でした。入浴や着替え、洗顔といった清潔保持も十分に行うことができず、体調の悪いときは数日間寝たままで過ごすこともありました。
また、金銭管理が全くできず、家計の運営は母親の仕送りによって成り立っており、必要な物資の買い出しも母親の付き添いのもとで行われていました。
通院時以外はほとんど外出できず、他人との会話や交流も避ける傾向が強く、生活のほとんどを自宅の中で過ごす状況が続いていました。

申請までの経緯

障害年金の申請にあたっては、医師に現状の生活実態を正確に伝えることが重要と考え、詳細なヒアリングを実施しました。
特に、食事を取れない・清潔保持が困難・金銭管理ができない・外出や通院に支援が必要といった実際の日常生活が困難な様子を丁寧に整理し、医師に依頼文を提出することで診断書の内容に反映していただきました。
また、病歴就労状況等申立書では、これまでの経緯、就労が継続できなかった理由、一人暮らしの中で母親の援助を受けながら生活している現状を具体的に記載しました。
これにより、書類全体として生活上の支障と支援の必要性が明確に示され、審査側に実態が正確に伝わる内容に仕上げることができました。

結果

等級

障害厚生年金2級認定

受給額

年金額 約130万円

まとめ

本件は、発達障害(ASD・ADHD)の診断がつくまでに時間を要したものの、原因が明確になったことで障害年金の対象となり得ることを確認できた事例です。
一見すると「怠けている」「努力が足りない」と誤解されやすい状況であっても、実際には不安や意欲低下、感覚過敏などによって日常生活の維持が困難となることがあります。
今回のケースでは、母親による支援がなければ生活が成り立たない実態を正確に伝え、診断書と申立書の内容を十分に整えたことが2級認定につながりました。
発達障害やうつ病などの併発例においても、生活の具体的な困難を丁寧に整理し、医師に適切に伝えることで、適正な等級認定を受けられる可能性が高まります。

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