概要
- 43歳・女性・愛媛県
- 脳脊髄液減少症
- 慢性的な頭痛・めまい・嘔吐、平衡感覚障害、全身倦怠感、強い疲労感
- 自立歩行困難、入浴・着替え・食事に要介助、長時間の立位・座位困難、外出困難、食事困難
相談から申請までの経緯
相談
ご相談者様は勤務中に転倒し、頭部を強打したことをきっかけに、嘔吐やめまい、強い倦怠感などの症状に悩まされるようになりました。
複数の整形外科や整骨院で治療を受けても改善せず、症状はむしろ悪化していきました。
その後、脳神経外科で精密検査を受けた結果、脳脊髄液減少症と診断されました。
ブラッドパッチ治療によって一時的に嘔吐症状は軽減したものの、筋力低下や手足のしびれが続き、歩行や家事など日常生活全般に大きな支障が生じていました。
ご本人は強い疲労感のため病院内でも一人で行動することが難しく、障害年金の手続きを自力で行うことは困難な状況でした。
そのため、当事務所へ障害年金申請代行をご依頼いただきました。
治療と生活の状況
事故後、整形外科や整骨院で電気治療や温熱療法を受けましたが、症状の改善は見られませんでした。
脳神経外科でのMRI・RI検査により脳脊髄液の漏出が確認され、ブラッドパッチ療法が行われましたが、根本的な回復には至らず、以降も強い倦怠感と筋力低下、平衡感覚障害が続いています。
日常生活では、自立歩行が難しく車いすを使用しており、入浴・着替え・炊事など多くの動作に家族の介助を要します。
腕が上がらず被りシャツの着脱も困難で、鍋や包丁などを扱うこともできません。
また、長時間の立位や座位が保てず、動作後には休息を取らなければならない状態が続いています。
そのため家事はお子様が代行し、買い物などの外出は親御さんに依頼して生活を成り立たせていました。
申請までの経緯
申請にあたっては、症状の変動や生活制限の実情を正確に伝えることが重要でした。
ヒアリングでは、家事や身の回りの動作がどの程度制限されているか、家族がどのように支えているかを丁寧に確認しました。
特に、掃除や洗濯は子どもが担当し、買い物や外出時には親御さんが付き添っていること、また食事や衣服の着脱にも介助が必要なことなど、具体的な支援内容を整理しました。
これらの情報を病歴就労状況等申立書に反映し、医師にも生活実態を正確に伝えたうえで診断書を作成いただきました。
その結果、症状の重さと生活上の支障が的確に反映された書類が整い、スムーズに申請を進めることができました。
結果
等級
障害厚生年金2級認定
受給額
年金額 約120万円
まとめ
脳脊髄液減少症は診断に至るまでに時間を要し、症状も日によって変動するため、障害年金の申請では「どのように生活に支障があるか」を具体的に示すことが極めて重要です。
今回のケースでは、医療記録だけでなく、家族からの支援内容や日常生活の具体的な状況を丁寧に整理し、書類に反映させたことが認定につながりました。
また、申請代行を利用することで、ご本人の負担を最小限にしつつ、必要な情報を漏れなく整理できた点も成功要因の一つです。
生活の実情を正確に伝えることが、障害年金受給への大きな一歩となった事例です。

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