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受給事例:統合失調症により障害基礎年金2級(59歳・男性)

概要

  • 59歳・男性・愛媛県
  • 統合失調症
  • 被害妄想、怒りの爆発、自暴自棄、不安感、希死念慮、意欲低下、思考の停滞
  • 他人の発言に過敏反応、外出時の緊張・疲労感、突発的な暴言・秒力的行動、対人トラブル
  • 日常生活能力の著しい低下、通院・社会的行動の持続性欠如

相談から申請までの経緯

相談

ご相談者様は、長年にわたり「他人に悪口を言われている」「馬鹿にされている」と強く感じることが多く、外出先や家庭内でトラブルになることがたびたびありました。警察沙汰に発展することもありましたが、長らく医療機関を受診されていませんでした。
数年前、別件でかかっていた医師から心療内科の受診を勧められ、初めて精神科を受診した結果、統合失調症と診断されました。
その後も、外出先で他人の言動を誤って受け取り口論になることや、感情の起伏から家庭内で衝突が起きることが続き、次第に奥様のサポートなしでは日常生活を送ることが難しくなっていきました。
奥様から「このままの生活を続けるのは限界がある」とご相談をいただき、障害年金の申請を検討することとなりました。

治療と生活の状況

初診後は月1回の通院と服薬を続けており、薬の効果で一時的に落ち着く時期もありましたが、根本的な症状の改善には至りませんでした。
外出時には周囲の人の会話が自分に向けられているように感じ、誤解から口論やトラブルに発展することも多く、妻が同伴していてもその場で感情を抑えられず、怒号や暴言が出ることがありました。
家庭内でも同様に、他人の発言や態度を否定的に受け取ってしまい、奥様との衝突が絶えませんでした。怒りが収まったあとは強い自己否定や無気力状態に陥り、数日から長いときには2週間ほど何もできない状態が続くこともありました。
身の回りのことも自力では難しく、入浴や着替え、洗顔・歯磨きなどの身辺動作は数日に一度しか行えないことが多く、掃除や洗濯、金銭管理などはすべて奥様が行っていました。
外出や公共交通機関の利用はトラブルにつながる危険があるため、役所や病院での手続きも奥様が代行し、生活全般にわたり常時援助が必要な状態が続いていました。

申請までの経緯

本件では、長年医療機関を受診していなかった期間があり、初診日の特定が最初の課題となりました。
当事務所では、受診に至るまでの経緯を丁寧にヒアリングし、心療内科受診のきっかけとなった出来事や、他科での相談記録を確認することで初診日を特定しました。
また、日常生活における援助の必要性を正確に反映させるため、奥様への詳細な聞き取りを行い、家事や通院、社会的行動における支援状況を整理しました。
その内容をもとに医師に生活状況を正確に伝える資料を作成し、診断書作成時に参考として提出することで、実情が十分に反映されるよう調整を行いました。
さらに、年金事務所への確認・書類の整合性確認・提出サポートを行い、ご本人・ご家族の負担を最小限に抑えつつ、申請手続きを着実に進めることができました。

結果

等級

障害基礎年金2級認定

受給額

年金額 約83万円

まとめ

統合失調症のように、受診歴が途切れていたり、初診日の証明が難しいケースでも、生活の実態と治療経過を丁寧に整理することで受給につなげることができます。
今回のケースでは、奥様からの詳細なヒアリングと的確な資料整理により、医師の診断書に実際の生活状況が反映され、認定に至りました。
医師への説明や初診日の特定など、個人では対応が難しい部分も専門家がサポートすることで、安心して申請を進めることができます。
「初診日の証明が取れない」「医師にうまく状況を伝えられない」と感じた場合でも、あきらめず一度ご相談いただくことをおすすめします。

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