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受給事例:統合失調症と注意欠陥多動障害(ADHD)により障害基礎年金2級(44歳・男性)

概要

  • 44歳・男性・香川県
  • 統合失調症、注意欠陥多動障害(ADHD)
  • 抑うつ気分、不安感、意欲低下、注意力・判断力低下、記憶力低下、不眠
  • 衝動的発言、対人トラブル、自閉・引きこもり傾向、対人恐怖

相談から申請までの経緯

相談

ご相談者様は高校時代から他者とのコミュニケーションに困難を感じ、約束を忘れてしまう、思ったことをそのまま口にして対人トラブルになるといった特性がありました。
18歳のときに頭痛や不眠、円形脱毛などの症状で初めて受診し、投薬治療を受けましたが、その後留学により通院は中断されました。留学中も大学附属の医療機関で同様の薬を処方されていましたが、帰国後は受診が途絶え、母親の薬を分けてもらうなど不安定な服薬状況が続いていました。
この間、金銭感覚の喪失や多額の借金、仕事での遅刻・欠勤など、生活面での支障が顕著となりましたが、適切な支援や治療を受けられず、症状は徐々に悪化していきました。
発達障害やうつ病の診断を受けて複数の医療機関を転々とする中でも改善には至らず、最終的に統合失調症との診断を受けるまでに長い年月を要しました。
初診から20年以上が経過し、受診記録の多くが残っていなかったこと、留学や服薬の経緯が複雑であったことから、ご本人だけでは障害年金の申請を進めることが難しく、当事務所にご相談いただきました。

治療と生活の状況

高校時代に頭痛や不眠の症状が出現して以降、長期間にわたって精神的な不調を抱えながら生活を続けてこられました。
帰国後は不眠や抑うつ症状に加え、集中力の低下、衝動的な言動、金銭感覚の欠如などが見られ、仕事をしても遅刻や欠勤を繰り返して長続きせず、安定した生活を維持することが困難でした。
また、発達障害やうつ病の治療のため複数の医療機関に通院しましたが、薬の効果が一時的であったり、副作用に悩まされたりするなど、安定した状態を保つことができませんでした。
最終的に統合失調症との診断を受けてからは服薬を継続しており、症状の波はあるものの、医師の指導のもとで治療を継続しています。
現在も身の回りのことを自分だけで行うことは難しく、家族の支援が生活の大部分を支えています。

申請までの経緯

初診から長期間が経過していたため、当時の医療機関にはカルテが残っておらず、初診日の特定が最大の課題でした。
当事務所では、過去の受診先に問い合わせを行い、受診科や初診日を確認した上で、医療機関に証明書を作成していただくことができました。
また、複数の医療機関を転々としていたため、診断名や服薬内容、通院中断の有無を一つひとつ整理し、時系列に沿って正確にまとめました。
生活面の聞き取りでは、金銭管理の困難さ、家事・入浴など身の回りの動作がほとんどできない現状、家族の支援なしには生活が成り立たない状況を詳細に把握し、病歴・就労状況等申立書に具体的に反映しました。
こうした丁寧な情報整理と裏付け資料の収集によって、初診証明を含む申請書類一式を整えることができました。

結果

等級

障害基礎年金2級認定

受給額

年金額 約83万円

まとめ

本件は、初診から20年以上が経過しており、受診中断や海外留学によって記録が途絶していたため、通常の申請では非常に困難なケースでした。
しかし、初診日の特定、複数の医療機関の情報整理、生活状況の具体的な聞き取りを通じて、申立書と診断書の内容を精密に整えることで認定につなげることができました。
ご本人が長年抱えてきた複雑な経緯を一つずつ整理し、医療機関との連携を重ねることで、受給という結果に結びつけた事例です。
時間が経過していても、丁寧な確認と適切なサポートによって申請の可能性を広げられることを示しています。

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