概要
- 54歳・女性・愛媛県
- 糖尿病・人工透析
- 強い倦怠感・疲労感、呼吸困難、睡眠困難、食欲低下
- 著しい体力低下、透析後の極度の疲労、血圧低下、日常生活動作の制限
相談から申請までの経緯
相談
相談者様は糖尿病を原因とする腎不全を発症し、最終的に人工透析を必要とする状態となりました。初期には全身の浮腫みや咳が見られましたが、無収入かつ健康保険未加入の時期であったため受診が遅れ、救急搬送によりようやく治療を開始しました。糖尿病と高血圧症の診断を受け、腎機能の低下から将来的に人工透析が必要であることを告げられました。
その後も通院と服薬を続けていましたが、転居や就職に伴い一時的に治療を中断していた時期がありました。中断期間を経て症状が進行し、人工透析を開始した後は体力の低下や浮腫、咳などの影響で日常生活動作が制限され、買い物や家事は同居のパートナーの支援を必要とする状況となりました。経済的な不安も強く、生活を維持するために障害年金の申請を希望され、正確な手続きを行うべく当センターにご相談くださいました。
治療と生活の状況
救急搬送後の入院治療により一時的に症状は落ち着いたものの、糖尿病性腎症の進行により腎機能は徐々に低下。最終的に週3回の人工透析を受ける生活となりました。透析後は極度の疲労と血圧低下がみられ、日中も十分に動くことが難しい状態が続いています。
糖尿病性網膜症による視力低下もあり、車の運転や買い物など外出を伴う行動は困難です。食事の準備や家事の多くを同居者に任せ、服薬や通院も支援を受けながら行っています。慢性的な倦怠感や低血圧、浮腫の影響で自立した生活は難しく、身体的にも精神的にも大きな負担を抱えながらの療養生活が続いています。
申請までの経緯
糖尿病による腎不全の事例では、初診日が古く特定が困難なケースが多くあります。相談者様からの詳細なヒアリングをもとに、過去の入院・通院記録を精査し、初診日を明確に特定しました。
また、受診を中断していた期間についても、生活状況や体調の変化を丁寧に整理し、どの期間にどのような症状があったかを明確に記録。これにより、申請書類や診断書に正確な病状経過が反映されるよう準備を整えました。
さらに、人工透析の実施状況や日常生活における制限、支援の実態を詳細にまとめ、医師に診断書作成を依頼。医療記録と生活実態を整合させる形で申請を進め、的確な障害状態の証明につなげました。
結果
等級
障害基礎年金2級認定
受給額
年金額 約83万円
まとめ
糖尿病性腎症による人工透析の事例では、初診日や治療経過の特定が難しく、誤った手続きで不支給となるケースも少なくありません。本件では、過去の医療記録と生活状況を丁寧に整理し、医師と連携して正確な診断書を作成することで、適正な認定につながりました。
同様に、長期の治療歴や通院中断のある方も、専門家によるサポートを受けることで、正確かつ有利な申請が可能となります。
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