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受給事例:注意欠如多動性障害(知的障害合併)により障害基礎年金2級(20歳・女性)

概要

  • 20歳・女性・愛媛県
  • 注意欠陥多動性障害(ADHD)、知的障害、20歳前障害
  • 危険認識の欠如、学習困難、記憶力・学力の伸び悩み、落ち着きのなさ、手先の不器用さ
  • 外出困難、自己判断力の欠如、依存傾向、金銭管理不能、自傷行為、パニック

相談から申請までの経緯

相談

相談者様は幼少期からADHDの診断を受けており、小学生頃まで療育センターへの通院歴がありました。
当時は服薬や特別な治療は行われていませんでしたが、注意欠如や落ち着きのなさ、危険な行動が見られることがあり、時折転倒や軽いけがをすることもありました。
それでも家族の支援のもとで大きな問題なく生活を続けてこられました。
20歳の誕生日を迎えるにあたり、お母様から「20歳から障害年金を申請できる」との情報をもとに、受給を検討したいとのご相談をいただきました。

治療と生活の状況

幼少期にADHDと診断されて以降も、知的発達の遅れがみられ、注意力の低下や衝動的な行動が続いていました。
学校生活では授業への集中が続かず、学習の遅れや行動面での注意を受けることが多くありました。
現在も、物事に集中できず一つのことに気を取られると他のことが手につかなくなる、金銭管理ができない、スマートフォンやゲームへの依存が強く、深夜までプレイして生活リズムが乱れるなどの状況があります。
家事や買い物などの生活行動はほぼ家族の支援に頼っており、自身では計画的な行動や判断が難しい状態です。
また、衝動的な行動がみられ、興味のあることに過度にのめり込む一方で、危険に対する認識が乏しく、過去には外出時の転倒やリストカットのまね事なども見られました。
日常生活においても、家族の声かけや介助がなければ安全な行動を維持することが困難な状態が続いています。

申請までの経緯

申請にあたっては、まずお母様から詳細なヒアリングを行い、過去の療育手帳交付時の情報や通院歴、学校での支援内容、日常生活の様子などを整理しました。
その後、過去に療育手帳を発行した療育センターを再受診していただき、ADHDに加えて軽度知的障害があることを再確認のうえ、診断書の作成を依頼しました。
日常生活の状況については、注意欠如や多動傾向、衝動行動がどのように生活に影響しているかを丁寧に聞き取り、申立書に具体的な事例として反映しました。
特に、金銭管理の困難、買い物や通勤でのトラブル、スマートフォン・ゲーム依存による夜更かしや家族とのトラブル、外出時の安全確保の難しさなど、実生活での支援が欠かせない実態を明確にしました。
また、初診日や受診経過を確認するために、過去の療育記録・学校関係書類・家族の証言をもとに障害の継続性を裏付け、審査機関に対して障害の持続と生活への影響を具体的に示すよう資料を整えました。
これらの整理により、診断書だけでは伝わりにくい生活上の困難を十分に補足できる申請書類を完成させました。

結果

等級

障害基礎年金2級認定

受給額

年金額 約83万円

まとめ

本事例は、医療機関での受診歴が少ない場合でも、家族からの詳細なヒアリングや過去の療育手帳・学校記録などを活用し、生活の実態を丁寧に書面化することで適正な評価を得られることを示しています。
ADHDや知的障害では、診断名だけでは伝わりにくい「生活上の困難」が多く存在します。
本件では、注意欠如や衝動行動、自己管理の困難、スマートフォン依存など、具体的な生活の様子を明確に表現することで、20歳前障害としての認定につながりました。
家族の支援を受けながらも自立が難しい状況を正確に伝えることが、適正な障害年金の受給に結びついた好事例といえます。

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