概要
相談者様
57歳男性
主な症状・特徴
- 慢性腎不全
- 糖尿病性網膜症
- 倦怠感・易疲労感
- 透析治療による生活制限
認定
相談に至る経緯
25年前に勤務先の健康診断で糖尿病を指摘され、通院を開始しました。当時は自覚症状が乏しく、治療を中断していた時期もありましたが、糖尿病の進行により網膜症や腎機能低下を発症。最終的には尿毒症に至り、緊急入院を経て人工透析が開始されました。
発症から長い年月が経過する中で、仕事の継続や家庭生活の困難、治療中断など複雑な経過をたどっていました。透析導入後は日常生活への制限が大きく、家族の支援なしには通院や生活を維持できない状態となり、障害年金の受給を希望して相談に来られました。
申請までのサポート内容
本件では初診から25年以上が経過しており、相談者様が記憶していた初診病院はすでに閉院していました。そのため、受診状況等証明書を取得できず、初診日の証明が最大の課題となりました。
まずは相談者様やご家族から丁寧にヒアリングを行い、残存する資料や転医先での診療情報をもとに経過を整理。特に長期間通院していた病院でカルテの保存状態が良好であったため、そこから遡る形で初診日の特定を試みました。
書類整備の過程では、病歴・就労状況等申立書において、症状が進行していく中での生活制限(倦怠感や易疲労感による就労困難、透析に伴う通院負担、透析後の体調不良で帰宅もままならない様子)を丁寧に記載しました。
申請結果
初診日の特定や資料収集には困難がありましたが、必要な証明書類を整備できたことで無事に申請が受理され、障害厚生年金2級が認定されました。年金額は約150万円となりました。
慢性腎不全においては、人工透析を受けていれば原則として2級に認定されますが、初診日を証明できないと受給できないケースも少なくありません。本件では医療機関の閉院という大きな壁がありましたが、転医先での記録をもとに証明を積み重ねることで、受給につなげることができました。
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