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受給事例:コロナワクチン接種後の後遺症により障害厚生年金2級を受給(50歳・女性)

概要

  • 50歳・女性・香川県
  • コロナワクチン接種後遺症・脳炎・脊髄炎
  • 両下肢の感覚麻痺、歩行困難、筋力低下、姿勢保持困難
  • 倦怠感、日常生活動作困難、ADL低下

相談から申請までの経緯

相談

ご相談者様は、新型コロナウイルスワクチンの3回目接種後に発熱と強い倦怠感が続き、その後、職場で言動の不自然さを指摘されたことをきっかけに病院を受診されました。検査の結果、脳炎が確認され、即日入院となりました。
入院治療により一時的な改善は見られたものの、その後も足のしびれ、めまい、吐き気、複視など多彩な症状が断続的に出現。何度も入退院を繰り返しながら治療を継続されてきました。
症状は軽快と悪化を繰り返し、現在も歩行には杖が必要で、日常生活の動作にも大きな制限が残っています。家事や買い物などは息子さんや近隣住民の協力を得ながら生活されています。
このような状況を見かねた息子さんが「障害年金という制度があるのではないか」と調べてくださったことをきっかけに、当事務所へご相談いただきました。

治療と生活の状況

初期には脳炎による意識障害や記憶の混乱が見られ、副腎皮質ステロイドによる治療を受けられました。
その後も症状は断続的に現れ、めまい、ふらつき、吐き気、複視、下肢のしびれなど、神経系の不調が継続しています。とくにR6年以降は脊髄炎の併発により歩行が著しく不安定となり、常時杖を使用しての生活となりました。
日常生活では、立位や歩行が不安定なため、洗顔や入浴、着替えなどの基本的動作にも支障が生じています。高い場所に手を伸ばす、しゃがむ、方向転換するなどの動作で転倒しそうになるため、常に慎重な動きが求められています。
家事全般は短時間しか続けることができず、掃除や洗濯は休み休み行う状態です。買い物やゴミ出しなど屋外での作業は息子さんや隣人の協力を得ており、一人で外出することはほとんどありません。
仕事についても、以前のような勤務を続けることは困難となり、職場ではデスクワーク中心に配慮を受けていましたが、症状の悪化により休職せざるを得ない状況となりました。

申請までの経緯

今回の申請では、医師や病院側が障害年金制度の仕組みを十分に理解していなかったことが大きな課題でした。
特に「初診日」や「障害認定日」の取り扱いについて誤解があり、当初は認定日請求による遡及受給も可能なケースでしたが、診断書作成に協力が得られず、作成依頼には大変な労力を要しました。
ご本人とも慎重に相談を重ね、今後の治療関係を悪化させないことを最優先に考えた結果、今回は事後重症請求として申請を行う方針に切り替えました。
さらに、病院が作成した診断書の記載に不備が多く、年金事務所と医療機関の間を何度も往復し、修正・補足を重ねる必要がありました。
それでも諦めず粘り強く交渉を続け、必要な情報を整理し直したうえで提出した結果、最終的に審査で障害厚生年金2級として認定を受けることができました。

結果

等級

障害厚生年金2級認定

受給額

年金額 約130万円

まとめ

コロナワクチン接種後の後遺症に関する障害年金申請は、症状の多様性や変動性から診断や評価が難しく、医療機関側の理解不足が申請の妨げになるケースが少なくありません。
本件でも認定日請求が叶わなかった点は残念でしたが、それでも現症での受給が実現し、ご本人が生活の見通しを立てられるようになったことは大きな成果でした。

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