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受給事例:うつ病により障害基礎年金2級を受給(52歳・女性)

概要

  • 52歳・女性・香川県
  • うつ病
  • 不眠、気力・意欲低下、食欲低下、希死念慮、自傷行為、過剰服薬、自殺企図
  • 対人恐怖、外出困難、金銭管理困難、家事が全くできない、日常生活動作困難

相談から申請までの経緯

相談

ご相談者様は、約10年前から強い不眠や倦怠感、胃痛、頭痛、めまいなどの身体症状に悩まされ、次第に家事や育児ができなくなっていきました。
精神科を受診し投薬治療を開始しましたが、症状は改善せず、一日中自室に引きこもる生活が続きました。過剰服薬による搬送歴や自傷行為もあり、生活全般を夫に依存せざるを得ない状態が長期間続いていました。
一時的に症状が軽快して通院を自己中断した時期もありましたが、再び症状が悪化し、就労継続が困難となり退職。その後は夫と姉の支援を受けながら通院を続ける状態が続いています。
こうした状況を受け、ご主人より障害年金の申請代行についてご依頼をいただきました。

治療と生活の状況

当初の治療では睡眠剤や抗うつ薬、安定剤など複数の薬を処方されましたが、効果は乏しく、長期間にわたり不眠や抑うつ状態が続いていました。
服薬しても気分の落ち込みは改善せず、家事や育児はほとんど夫が担い、ご本人は自室で過ごす時間が多くなっていました。
発作的な自傷行為や過剰服薬による救急搬送もあり、家族が常に見守りを行う必要がありました。
一時期は症状の軽快により外出や短時間の就労が可能になったこともありましたが、母親の死去や人間関係の悪化を契機に再び症状が急激に悪化。
その後は再び通院と服薬を続けながらも、食事は1日1食、掃除や洗濯も自分ではできず、夫と姉が全てを代行する生活に戻りました。
現在は2週に1度の通院を夫の送迎で行っており、外出や他者との交流はほとんどありません。常に「死にたい」「人生を終わらせたい」と漏らすなど希死念慮も強く、夜間は夫の見守りが欠かせない状態が続いています。

申請までの経緯

申請にあたっては、ご主人の希望もあり、過去にさかのぼって受給できる「認定日請求」を試みました。
幸い、初診の医療機関を長期にわたり受診していたため、認定日時点の診断書も取得することができました。
しかし、当時は比較的仕事に行けていた時期もあり、一定期間症状が軽快していたことから、認定日請求は認められませんでした。
一方で、現在は就労が全くできず、食事・清潔保持・金銭管理・外出など、あらゆる生活動作を夫と姉の支援に頼っている実態を診断書および病歴就労状況等申立書に反映。
医師とも連携を取りながら、日常生活全般における支障を具体的に記載し申請を行いました。

結果

等級

障害基礎年金2級認定

受給額

年金額 約83万円

まとめ

本件は、長期間にわたる通院歴と症状の変動があり、認定日請求は不認定となったものの、現時点の生活実態を的確に反映した申請書類の作成によって受給が実現した事例です。
特に、「家事・金銭管理・服薬管理・外出など、生活のすべてを家族の支援に頼らざるを得ない状態」であることを丁寧に整理し、医師に正確に伝えたことが認定の大きな決め手となりました。
障害年金の審査では、医療的な診断名だけでなく、実際の生活における制限の具体性が重視されます。
本件は、家族の支援体制を含めて「実情を正確に伝えること」の重要性を示す好例といえます。

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