概要
- 39歳・女性・香川県
- うつ病
- 不眠、不安感、イライラ、気力低下、落ち込み、対人恐怖、感情不安定
- 家事困難、自己管理困難、就労困難、過剰服薬(OD)
相談から申請までの経緯
相談
ご相談者様は、仕事上のストレスや上司との衝突から精神的に不安定となり、夜眠れない状態や強い不安感に悩まされていました。仕事を続ける中で、感情の起伏が激しくなり、会議中に涙が止まらなくなることもありました。次第に家事や育児に対する意欲も低下し、日常生活の多くを長女や交際相手に頼るようになっていきました。
退職後も気分の落ち込みや不安感は続き、再就職を考えたものの医師からは「現状では就労は難しい」との判断を受けました。障害年金の申請を勧められたものの、書類の整理や立証に不安を感じ、ご自身で進めるのは困難と判断され、当事務所に代行を依頼されました。
治療と生活の状況
初診時には「うつ気味」と診断されましたが、その後「うつ病」として通院・服薬を継続しました。不眠に対して睡眠薬、情緒の安定のために安定剤が処方され、当初は頓服的に服薬していたため効果を実感できませんでしたが、毎日の服薬を続けることで少しずつ落ち着きを取り戻しました。
しかし同時に不安感が強くなり、仕事をしていないことや金銭面への不安から、「自分の存在に意味がないのではないか」と考えるようになりました。日常生活では部屋の片付けができなくなり、食事は納豆やラーメンなど簡単なものに偏り、入浴や着替えも行えない日が増えました。
家事・育児と仕事の両立に限界を感じ、職場では欠勤や早退が増加。4年ほど前に退職しました。退職後は仕事の負担がなくなったことで多少の安定を見せたものの、人と話すことが苦痛で、外出を避ける日が多くなりました。服薬を続けていても気分の変動は大きく、頓服薬を一度に10錠以上服用してしまうなど、自己管理が難しい状況も見られました。
申請までの経緯
申請にあたっては、うつ病の症状が日常生活や就労にどのように影響しているかを明確にすることが重要でした。
当事務所では、ご本人およびご家族から詳細な聞き取りを行い、日常生活の様子や就労状況、家族への依存度を具体的に整理しました。
医師の診断書・通院記録と照らし合わせながら、症状の継続性と生活機能の低下を立証できるよう構成を工夫。特に、家事・育児の遂行困難や社会的交流の欠如など、生活面での制限を丁寧に整理し、年金機構が理解しやすい形で提出資料を整えました。
専門家によるサポートにより、医療記録の収集や生活状況の整理など、本人では負担の大きい作業もスムーズに進行。症状の変動が大きく、自身での記録が難しいうつ病案件において、確実な立証が可能となりました。
結果
等級
障害厚生年金2級認定
受給額
年金額 約160万円(子の加算額含む)
まとめ
本件は、仕事上のストレスや育児・家事負担をきっかけにうつ病を発症し、退職後も日常生活の多くを家族に依存せざるを得ない状態にあった事例です。医師の診断書や通院記録に基づき、症状の継続性と生活への影響を丁寧に整理したことにより、適正な評価を得ることができました。
うつ病による障害年金の申請では、症状が日によって変動しやすく、本人が自分の状態を客観的に整理することは非常に困難です。そのため、第三者による支援や専門的な立証作業が重要となります。本事例では、代行によるサポートを通じて、複雑な資料整理や生活状況の立証を確実に行うことができ、無理のない形で申請を完了することができました。
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