概要
- 54歳・女性・香川県
- うつ病、注意欠陥多動障害(ADHD)、大人の発達障害
- 抑うつ気分、不安感、パニック発作、意欲低下、注意散漫、多動傾向
- 対人ストレス過敏、社会参加困難、完遂困難、食欲不振、過眠、倦怠感
相談から申請までの経緯
相談
ご相談者様は長年にわたり、職場での人間関係や業務上のストレスに苦しみ、心身の不調を抱えて生活してこられました。
近年、医療機関でうつ病およびADHD(注意欠如・多動症)の診断を受け、症状が悪化したことで就労を続けることが難しくなり、将来への強い不安を感じておられました。
障害年金の制度については全く知識がなく、自ら情報を集めたり申請を進める余力もない状況でした。そんな中、同居する息子さんが母親の様子を見かねて制度を調べ、当事務所に相談されたことがきっかけでした。
治療と生活の状況
ご相談者様はうつ病とADHDの診断を受け、継続的な通院と投薬治療を続けておられました。
うつ症状により抑うつ気分や強い倦怠感、過眠・不眠の波があり、食事や家事などの日常生活動作にも支障が出ていました。
またADHDの特性によって注意力の持続が難しく、一つの作業を始めてもすぐに別のことに気を取られてしまい、何事も最後までやりきれない傾向が見られました。
就労においても、業務の抜けやミス、対人関係のストレスが重なり、安定した勤務を維持することができず、最終的に休職を余儀なくされました。
外出や買い物も一人では難しく、同居の息子さんが日常生活を支えておられる状況でした。
申請までの経緯
発達障害を含む精神疾患による障害年金申請では、出生から現在までの生活状況や就労経過を詳細に記載した「病歴・就労状況等申立書」が重要になります。
今回のケースでは、診断が大人になってからであったため、経過が非常に長期にわたる申立書を作成する必要がありましたが、発達障害やうつ病の特性上、ご本人が自力で過去の経緯を思い出し、体系的に整理して文章化することは極めて困難でした。
当事務所では、幼少期から現在までの生活状況、学業や職歴、人間関係の変遷を丁寧にヒアリングし、医療記録との整合性を確認しながら書面を作成しました。
また、申請に必要な内容を明確にするため、ご本人だけでなく息子さんからも補足の聞き取りを行い、無理のない形で負担を軽減するよう努めました。
その結果、医証と申立書の内容に一貫性をもたせた申請書類を整え、スムーズに年金機構への提出を行うことができました。
結果
等級
障害厚生年金2級認定
受給額
年金額 約110万円
まとめ
本件のように、発達障害とうつ病を併発している方では、過去の生活や職歴を整理して申請書にまとめる作業が大きな負担となります。
また、申請手続きには医療機関や年金事務所とのやり取りが必要であり、ご本人だけで完結させるのは非常に困難です。
専門家に代行を依頼することで、経緯の整理から書類作成、提出・修正対応までを一貫してサポートできるため、ご本人は安心して治療に専念することができます。
本事例では、息子さんが早期に相談を促してくださったことが円滑な申請につながり、結果として生活の安定に結びつく形となりました。
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