概要
- 54歳・女性・愛媛県
- うつ病
- 希死念慮、対人恐怖、社会不安、パニック発作
- 強い抑うつ気分、意欲・活動性の低下、集中力・注意力の低下
相談から申請までの経緯
相談
相談者様は長年、職場や家庭内での緊張や不安を抱えながら働いていましたが、ある出来事が大きな転機となりました。息子さんが自ら命を絶たれたことを契機に深く塞ぎ込み、以後、日常生活や仕事に支障を来すほど症状が悪化しました。以降は「死にたい」という思いが常にあり、家族の存在だけが辛うじて踏みとどまる拠りどころになっている状況で、ご家族から私どもに障害年金申請を依頼されました。
治療と生活の状況
発症当初は対人場面での動悸や震え、睡眠障害などの症状が出て精神科を受診し、不安障害と診断されて薬物療法と定期受診で経過をみていました。人前で話す場面では頓服で対応しており、一定の効果は感じていたものの長期的な改善は乏しく、休暇を取りながら何とか勤務を続けていました。
息子さんのいじめや家族関係の変化、そして息子さんの自死後は抑うつ傾向が強まり、抗うつ薬が処方されるようになっても気持ちの沈みは軽くならず、外出や日常活動が著しく制限されるようになりました。身近な仕事を手伝うことはあっても集中力や注意力の低下から配達中に信号を見落としそうになるなど危険が生じ、典型的な日中の無力感や睡眠障害が続いています。家族(配偶者や娘)がいるため自殺を思い留まっている場面が散見され、孤立や悲嘆が症状の核心に影響している様子がうかがえました。
申請までの経緯
申請では、これまでの通院歴(長期の服薬・定期受診)、症状の変遷、日常生活への具体的な支障(就労継続の困難さ、注意力低下、慢性的な睡眠障害、常時の自殺念慮など)を丁寧に整理して提出しました。ご本人の悲嘆反応がただの一過性のものではなく、長期にわたり日常生活を著しく制約している点、職場や家庭での具体的な支障が客観的にも認められる点を中心にまとめ、医師の診断書にも生活上の制約を反映していただきました。
結果
等級
障害厚生年金2級認定
受給額
年金額 約200万円
まとめ
不安障害やうつ病などの精神疾患は、ストレスや環境の変化によって症状が悪化しやすく、日常生活にも深刻な影響を及ぼします。本件では、長年にわたり不安発作や希死念慮が続き、就労や社会生活が困難な状態が続いていました。こうしたケースでは、生活上の支障や心理的負担を具体的に整理し、診断書に反映させることが大切です。同じようにお悩みの方は、どうぞお気軽にご相談ください。
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